RPAとは?導入メリットやExcelなどでの活用例を解説
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
聞いたことはあるが、その具体的な意味や実際の利用法について詳しくは知らないというのが一般的でしょう。
RPAは私たちの日常の業務を大きく変える可能性を秘めています。
この記事では、RPAがどのようなテクノロジーで、どのようにして私たちの仕事を楽にするのかを解説します。
RPA初心者の方のよくある疑問
RPAという言葉は聞いたことはあるけど、プログラミングが必要なの?
最近、なぜRPAがこんなにも話題になっているの?
RPAを導入することで、どのようなメリットがあるの?
RPAは具体的にどのようなことが出来るの?
RPAを導入する時、どのような点に注意すればよいの?
こんな疑問も、この記事ですべて解決していきます。
RPAやプログラミングに詳しく無い人でも全く問題ありません。それぞれ分かりやすく解説していますので、誰でも理解できる内容となっています!
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目次[非表示]
- 1.RPAとはノーコードによる自動化技術
- 2.RPAの導入が注目される背景
- 3.RPAを導入するメリット
- 4.RPAの主な機能
- 4.1.入力作業の自動化
- 4.2.アプリケーションの連携
- 4.3.タスク実行
- 4.4.データ処理
- 4.5.その他
- 5.RPAによる作業改善の例
- 5.1.クリック作業の効率化
- 5.2.Excelからブラウザへのデータ転記
- 6.RPA導入の注意点
- 7.まとめ
RPAとはノーコードによる自動化技術
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)は簡単にいうと、日々の繰り返し業務を自動化する技術です。従来のプログラミング言語(Python・VBA・GASなど)を用いて直接コードを書く代わりに、RPAはソフトウェアロボットを使用して、人間が行うような作業を模倣します。
直感的な作業によって、プログラミングスキルがない人でも比較的容易に業務自動化が可能なため、専門知識のない社員や従業員でも気軽にRPAによる業務の自動化を体験できます。
RPAを車の生産ラインにたとえると分かりやすい
RPAを理解する上で、車の製造工場を例にとると分かりやすいでしょう。
工場では、車の組み立てに多くのロボットアームが使用されています。これらのロボットはタイヤの取り付け、窓ガラスの設置、ボンネットの組み立てなどさまざまな複雑な作業を自動で行います。
人間の労働者がこれらの複雑で幅広い作業をすると、多くの人手が必要です。何より時間がかかってしまい、ヒューマンエラーも起こしやすいのです。作業員によっては、これらの複雑な作業が面倒くさいと感じ、集中していない場合もあるでしょう。
しかしロボットを生産ラインに導入することで、人間の労働者は面倒な作業から解放され、より重要なタスクに集中できるようになります。
RPAで業務を自動化させることも、この工場での車の組み立て作業と非常によく似ています。
PCがRPAのロボットアームであると考えてみましょう。このロボットアームが、Excelデータからブラウザ上のフォームに情報を入力する作業を自動で行っています。
一つ一つのデータポイントを正確に入力して登録ボタンを押すという、単純な繰り返しの作業をRPAが効率的に実行するのです。
人間がこれらの作業を一つ一つ行っていると、どうしてもデータが正確かどうか確認するために、手間と時間がかかってしまいます。人間による確認作業と入力作業をRPAが自動化させることで、大幅に作業パフォーマンスが上がるのです。
工場での車の組み立てや、Excelデータを入力するなどの具体例を通して、RPAの仕組みとそのメリットをより具体的に理解できます。
RPAの導入が注目される背景
RPAの導入が注目される背景を以下に示します。
- 人手不足や長時間労働の改善の動き
- ノーコード・ローコードツールの登場
- 各種アプリケーションの充実
- 導入のしやすさ
日本では、少子高齢化が人手や労働時間に大きな影響を与えています。また、急速なDXのニーズが高まっているにも関わらず、エンジニアの確保・育成が追いついていない状況も要因のひとつです。
そのほか、エンジニアでなくてもソフトウェアが作れるノーコード開発環境が生まれていること、自動化に関わるクラウドアプリケーションが充実してきていることなども背景にあると考えられます。
RPAを導入するメリット
RPAにはいくつかのメリットがあり、私たちの仕事のやり方を根本的に変える力を持っています。
ここからは、RPAを導入するメリットを3つ紹介します。
時間の節約
RPAは人間が手作業で行っていた定型的なタスクを自動化して、作業時間を大幅に短縮します。
RPAは、途中で判断が必要な作業や内容が常に変化する作業には向きません。しかし、同じことを繰り返す作業であれば、人間より安定して正確な作業が可能です。常にフルスピードで稼働できるでしょう。
担当者が変わると作業時間も変動することもありません。
エラーの削減
人間の作業では、ミスの発生は避けられません。熟練した作業者でも、ミスをゼロにすることは難しいでしょう。とくに、疲れていて集中できないときにはミスが多くなります。
正確に指示をすれば、RPAはミスのない作業を繰り返し実行できます。突発的に発生するようなヒューマンエラーを防げるでしょう。また、作業内容自体に問題があっても、修正により再発を予防できます。
人為的なエラーの削減は、RPA導入がもたらす大きなメリットです。
生産性の向上
単調な繰り返し作業を人間がすると、飽きたり注意散漫になったりします。その結果、ミスの発生や作業効率の低下が起こることもあるでしょう。
単調な作業はRPAの得意とする範囲です。人間のように、長時間の作業によりミスや効率低下は起こりません。休憩時間や休日は不要で、時間に関係なく稼働できます。生産性の向上につながるでしょう。
また、今まで作業に従事していた人員を減らすことで人件費を削減できたり、人員を別の業務に従事させたりもできます。
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RPAの主な機能
RPAには、実行する作業を記録するシナリオ機能があります。シナリオの作成方法は次のとおりです。
- キーボードやマウスの操作を記録する
- 作業フローをドラッグ&ドロップで作成する
- 動作をコードで書く
PC操作を認識する仕組みも多くあります。代表的なものを以下に示します。
- 画像認識(画像やアイコンを認識する)
- オブジェクト認識(Webサイトのソースを解析する)
- 座標認識(マウスの位置を座標として記録する)
ここからは、シナリオにもとづいて自動化できる作業を紹介します。
入力作業の自動化
キーボードを使った文字入力や、マウスを使ったクリック・ドラッグによって、データ入力やグラフ作成が可能です。
例えば次のようなことができます。
- 注文票の内容をExcelやデータベースに入力する
- Webサイトに書かれている情報を収集して分析ツールに入力する
大量のデータを入力する作業はヒューマンエラーが発生しやすいといえます。そのため、正確な作業を記録して繰り返し実行できるRPAの効果が期待できます。
アプリケーションの連携
PC上では複数のアプリケーションを同時に立ち上げて作業することもあります。その操作を自動化すると、アプリケーション同士を連携できます。
連携可能なものは、次のような作業です。
- アプリケーションで実行した結果データを別のアプリケーションに入力して実行する
- 表示された大量のデータを別のアプリケーションに転記する
- Excelのデータをもとにメールを作成して送信する
アプリケーション間で連携する手段がない場合も、RPAを使用すれば自動で連携ができます。
タスク実行
条件を指定して、その条件を満たしたときに特定のタスクを実行するような指示を出せます。例えば以下のような指示が該当します。
- スケジュールをもとにした実行
- 定期的な実行
- 特定の動作をきっかけ(トリガー)とした実行
個々のタスクを連携して一連の工程の実行も可能です。それぞれのタスクを編集したり、タスクの順番を入れ替えたりもできます。
データ処理
RPAは、複数の資料やデータベースの内容を突き合わせて照合したり、集計したりできます。数値の内容が正しいことを判定して、その後の処理の決定も可能です。
入力作業と同様、多くのデータを集計する作業もヒューマンエラーが起きやすいといえます。RPAに任せれば、正確に実行されるでしょう。
その他
RPAによる自動化作業は、人間がリアルタイムで監視(目視)をしません。そのため、システムに異常が生じた場合の通知が必要です。
RPAはアプリケーションの状態を監視し、一定の条件になったり特定の動作が発生したりするときに、メールや通知の送信ができます。
通知機能を活用すれば、万が一の事態にも備えられるでしょう。
RPAによる作業改善の例
業務を自動化してくれるRPAを理解し活用することで、私たちの業務にどのような変化があるのでしょうか。
作業負担を軽減し業務が改善した例を紹介します。
クリック作業の効率化
一般的なビジネスパーソンは、1日に平均して約5,000回のマウスクリックを行います。
これはデータ入力、情報検索、ファイル管理など日常的な業務に伴うクリック数です。
しかし、業務を自動化させるRPAを導入することで、人間によるクリック数を大幅に減らすことが可能になります。
想像してみてください。人間の手による5,000回のクリックが、RPAによって業務が自動化されることで1,000回に削減されるとどれほどの時間が節約できるかを。単純計算で、作業時間が5分の1も減少することとなります。
この大幅に短縮できた時間で、他の作業に取り組んだり、作業をいつもより早く終わらせられます。
業務を自動化するRPAを導入することで作業効率は大幅に上昇し、作業時間の短縮につながるのです。
Excelからブラウザへのデータ転記
一つの一般的な例は、ExcelのデータをWebブラウザ上のフォームに転記する作業です。
通常、このような作業は手作業で行われ、時間がかかり、ミスの発生リスクも伴います。
何より単純作業で面白くありません!
しかし、業務を自動化してくれるRPAを使用すると、この面倒くさくて単純な作業は劇的に変わります。
RPAツールを使用すると、ロボットがExcelのデータを読み取り、ブラウザの適切なフォームフィールドに自動的に入力します。
この作業はRPAによって完全に自動化されており、人間の介入は一切必要ありません。
この結果、何千回ものクリックやキー入力を削減し、時間を大幅に節約できます。
また、人間の手作業に比べてエラーの可能性を減らし、一貫性と正確性を高められるのです。
人間の手でデータを打ち込むと、どうしてもヒューマンエラーが生じてしまいます。
しかしRPAによって業務を自動化させることで、このようなヒューマンエラーを防ぎ、大幅に作業効率を上げて時間を短縮できるというわけです。
RPA導入の注意点
RPAは簡単に業務を効率化できるものですが、導入時には次の注意点があります。
- RPAは本格システム導入に先立つ一時的なものである
- 自動化する対象作業を明確にする
- 組織体制を整備する
- 当該部署が主体的に導入する
- システム部門は導入のサポートを行う
- 定期的な保守を行う
部門や事業部全体、または全社的な業務効率化を検討する場合は、本格的なシステム導入の検討が必要です。
タスクの実行が非効率的なときに、RPAは威力を発揮します。威力を最大限のものとするには、対象となる作業の明確化が欠かせません。
作業の当事者である部署が人員配置も含めて主体的に検討し、システム部門や専門家のサポートを得ながらの導入が重要です。
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まとめ
RPAは、オフィスの定型的な作業を自動化するものです。ヒューマンエラーを低減し、生産性や作業品質を向上させるメリットがあります。人手不足を解消する効果もありますが、オフィスから非効率的な作業を排除するという考え方を持つほうが、将来的なDXにつながるでしょう。
ユースフルでは、こうしたRPAによる業務自動化に関する相談を承っております。
PowerAutomate for Desktop や PowerAutomate を使いこなし、主体的にビジネスを推進できる個人や組織の育成に伴走して参りますので、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。