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【SharePoint】フォルダとメタデータのルール作りの基本や注意点を解説

清澤勉|Kiyosawa Tsutomu
清澤勉|Kiyosawa Tsutomu
北海道大学理学部卒業後、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)で8年間、経営企画や人事を経験。現在はユースフルで、情報システム領域及びマーケティング領域を横断的に担当。

「Copilotに聞いてもメタデータ管理がずさんで、探したいファイルが出てこない」
「フォルダとメタデータをどう使い分けるか、社内ルールを決められない」
「すべてをフォルダの階層構造で管理するのも、カタログや規程までメタデータを付与するのも無理がある」

このように感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、SharePoint管理の基本を4つに分けて説明します。ぜひ最後までお読みください。

▶︎ この記事の内容は動画でも解説しています

SharePointのルールは、置き場を4つに分けるだけ

SharePointの置き場は、性質の違う4つに分かれます。

置き場

どんな文書か

管理方法

代表例

❶ 種別ごとのライブラリ

同じ種別が大量に積み上がり、複数の切り口で引きたい

ライブラリ+メタデータ

見積・議事録・提案書・契約

❷ 最新版フォルダ

開いても数個。最新の1つを取るだけ

フォルダ+バージョン管理

カタログ・価格表・テンプレート

❸ 共有フォルダ

種別が立たない、スポットで発生する共有物

フォルダ

業者連絡・調査資料・部内回覧・社内通達

❹ アーカイブ

保存年限まで置くだけ。ほぼ開かない

フォルダ(日常の置き場から隔離)

ISO・規程の保存分・旧データ

メタデータの設計が必要なのは、この4つのうち❶だけです。❷❸❹は通常のフォルダ階層管理で構いません。

つまり「フォルダ管理をやめる」のではなく、フォルダで足りる文書とライブラリにすべき文書を先に分ける、という考え方が重要になります。この線引きをせずに全部をメタデータ化しようとすると、SharePoint管理の作業が非常に膨大になってしまいます。

この先で何度も出てくる言葉を、先に3つだけ整理しておきます。

  • ライブラリ:SharePointのサイトの中に作る、文書の入れ物です。フォルダの上位にあたり、1つのサイトに複数作れます
  • メタデータ:ファイル1つ1つに付ける属性情報です。顧客名・年度・ステータスなどを、Excelの列のように持たせます
  • ビュー:列で絞り込んだ表示に、名前を付けて保存したものです。「B社の未承認だけ」といった一覧を、ワンクリックで表示できます

基本|フォルダとメタデータは、得意なことが逆

フォルダには「到達しやすさ」という明確な強みがあります。

フォルダ階層

ライブラリ+メタデータ

強み

入り口が1つで到達しやすい。設計の手間がない

顧客でも種別でも年度でも絞れる。AIが横断できる

弱み

1本道で複数の切り口では探せない。深くするとパスの文字数上限に当たる

最初に箱と列の設計が必要。種別ごとに入り口が分散する

向く文書

最新の1つを取るだけ/ほぼ開かない/種別が立たない

同じ種別が大量に積み上がる

ただし、フォルダ管理には構造上の制約があります。1つのファイルは、1つのフォルダにしか置けません。「顧客→年度→種別」と掘った時点で、例えば全顧客の見積を横に並べて比べることは難しくなります。

物理的な上限もあります。Microsoftの仕様では、フォルダパスとファイル名を合わせた全体に 400文字の上限があります。これを超えるとアップロードや同期がエラーになります。

そしてAI活用の観点では、もっと直接的な問題があります。 人が探しづらいファイルは、Copilotも探しづらく、深い階層に埋もれたファイルは、Copilotに聞いても「見つかりませんでした」と返ってくる傾向にあります。

逆に、メタデータを整えるとCopilot側の挙動が変わります。Microsoftは2026年7月、Copilotの仕様を変更しました。SharePointのライブラリやフォルダを指定すると、 列のメタデータをCopilotが読むようになっています。これにより、メタデータを設計することが、そのままCopilotの回答精度に効くようになりました。

SharePointの基本機能をまだ押さえていない方は、 Microsoft SharePointの活用方法もあわせてご覧ください。

基本|SharePoint管理のルール作りは、文書種別の棚卸しから始める

判定の前に、文書種別ごとの件数を洗い出します。

既存の共有フォルダは「顧客別」「部署別」で切られていることが多く、同じ種別の文書が各所に散らばっています。そこで分類軸をいったんほどき、場所を問わず「全体でどの種別が何個あるか」を数え直すとよいでしょう。

例えば従業員400名規模の部品メーカーを想定したモデルケースでは、営業部だけで次のような数字が出てくることが考えられます。

文書種別

推定数

主な散在場所

雑多・分類不能

1,950

99_その他/デスクトップ整理

見積書

1,850

01_顧客/各社/年度/見積

議事録

1,420

01_顧客/各社/議事録

価格表

90

03_製品資料(年度別+_新)

注目すべきは、最上位のファイル数が見積書などではなく 雑多・分類不能である点です。多くの組織で最も量が多いのは、種別が立たない文書です。だからこそ、その置き場を先回りして用意しておく必要があります。

基本|ファイルの置き場は3ステップで機械的に決める

棚卸しで出た種別を、次の3ステップで上から順に判定します。

見るもの

具体的な問い

Yesなら

STEP1

引き出す頻度

保存が目的で、ほとんど開かないか?

❹ アーカイブへ隔離

STEP2

ファイルの数

特定のファイルしか開かないか?

❷ 最新版フォルダで足りる

STEP3

種別とメタデータ

同じ種別でまとまり、共通の列を設計できるか?

❶ ライブラリ+メタデータ

STEP1|ほとんど開かないファイルなら、まず隔離する

ISO文書や規程の保存分のように、保存年限まで置くだけの文書があります。日常的に使うライブラリに混ぜると、現役の文書が埋もれます。

「隔離」とは、専用のライブラリを別に用意して、そこへ移すことです。メタデータは最小限で構いません。ただし隔離と言っても、永続的に保持するとSharePoint全体の容量の圧迫が生じてしまうため、年限が来たら自動で削除する運用をすると良いでしょう。こちらについては、Microsoft Purviewの 保持ラベルなどで設定が可能です。

STEP2|最新版などしか使わないならフォルダ管理で足りる

ここが判定の分かれ目になります。価格表やカタログは毎日使いますが、開き方は「最新版を読みに行く」だけの場合が多いのではないでしょうか。過去の版をまとめて検索することはありません。

この場合は 「よく使うから」ではなく「まとめて使うか」で決めるとよいでしょう。

この置き場では、ライブラリの設定で バージョン管理を有効にします。上書き保存するたびに過去の版が自動で残るので、ファイル名に「【最新】」や「_v2」を付ける必要がなくなります。

STEP3|種別が立つならライブラリ、立たないなら共有フォルダ

見積・議事録・提案書・契約のように、同じ種別ファイルが大量に積み上がる文書については、顧客名・年度・ステータスといった共通の列を設計できるなら、❶に置きます。

一方、雑多で種別が立たず、共通の列を引けない文書は❸の共有フォルダに置きます。入り口を1つに統一して、迷った人が必ず辿り着ける場所にしておきます。

個人で完結する文書との線引きに迷ったら、 SharePoint・OneDrive・Boxの違いも参考にしてください。

基本|入力の手間と既存ファイルは、機能で解決

ここまでSharePoint管理の考え方について説明しましたが、「考え方は分かったが、毎回メタデータを入力する手間などが増えるだけではないか」といった声が上がってくるかもしれません。

実は メタデータは全て手入力を行う必要はありません。負担を下げる機能が下記3例のように用意されています。

課題

使う機能

どうなるか

毎回同じ値を打つのが面倒

列の既定値

そのライブラリに入れた時点で、決めた値が自動で入る

既存の数千件に後から付けたい

グリッド表示での編集

Excelのように、複数ファイルの列をまとめて入力できる

そもそも人手で入れたくない

Autofill列(2026年8月時点でプレビュー)

文書の内容をAIが読み取り、列の値を自動で埋める

特に、2026年8月時点でプレビュー機能ではありますが、Autofill列は、列を作るときに「この列はAIが埋める」と設定しておく機能です。以降アップロードされたファイルには、自動でメタデータが付きます。

既存ファイルにも使えます。対象を選んでAutofillを実行すると、同じロジックで後からメタデータが入ります。棚卸しで出てきた見積1,850本のような塊も、ここでまとめて処理できます。1件ずつ手で入力し直す必要はありません。

注意点|ルール作りで失敗する3つのパターン

判定が正しくても、ルールの作り方を間違えると機能しません。現場で起きやすい失敗は次の3つです。

失敗1|案件を「一式」で束ねる

「A社案件一式」というフォルダを作ると、中の見積も議事録も契約も、その案件フォルダの中に閉じてしまいます。ライブラリを用いた種別をまたいだ横断ができません。せっかく種別で判定したのに、元の状態に逆戻りになってしまいます。ここでは、束ねたままにせず、中身を分解して判定にかけます。

ただし、すべての「一式」を分解する必要はありません。ここも下記のような場合分けを行うとよいでしょう。

「一式」の種類

複数の切り口でまとめて使うか

扱い

イベント一式(防災訓練など)

使わない(その回で完結する)

素直にフォルダ階層で構わない

顧客案件一式・プロジェクト一式

使う(見積は全社で比較、議事録はAI活用したい)

各文書を種別ライブラリへ。フォルダで束ねる代わりに、案件名の列とビューで「一式」を再現する

失敗2|全社一律のテンプレートを配る

扱う文書種別は部署ごとに違うので、❶〜❹の比率も変わる可能性があります。全社共通のフォルダ構成を配ると、どこかの部署でテンプレートと整合しない事象が発生します。例えば下記のように部署別に柔軟に対応するとよいでしょう。

部署の例

重心

理由

設計・技術部

❶ ライブラリ寄り

図面・仕様書・検査記録が同種で大量に積み上がる

総務部

❷+❹ 寄り

規程・雑多・保存目的の文書が多い

営業部

バランス型

見積・議事録(❶)と案件一式(フォルダ志向)が混在する

失敗3|ルールを作って終わりにする

❸の共有フォルダには「雑多な置き場を作ると何でも置かれる」という懸念がつきまといます。かといって置き場をなくしても解決しません。

解決策は、定期的な見直しをルールに組み込むことです。❸に同じ種別が溜まってきたら、1つの種別として独立させて❶へ昇格させます。 ルールは作った時点で完成ではなく、育てる前提で設計します。

そのために、ルールと一緒に次の3つを決めておきます。ここを決めずに走り出すと、整理の取り組みはまた途中で止まります。

決めること

具体的に

誰が判定するか

❸から❶への昇格を判断する担当を、部署ごとに1名決める

いつ見直すか

例えば四半期に1回など、既存の定例会議に議題として載せる

どこから着手するか

例えば棚卸しで件数が最も多かった種別を1つだけ選び、そこだけ❶にする

工数は、この3つ目の絞り方でほぼ決まります。全社・全種別を一度に動かせば大仕事になりますが、種別を1つに絞れば、棚卸しの対象も、列の設計も限定できます。

もっと踏み込んで設計したい人へ

判定の考え方はここまでで足ります。実際に手を動かす段階では、自社の文書に当てはめたSharePointの設計図が必要になります。

動画では、この記事で扱った整理術に加えて2つのテーマを解説しています。保存術(バージョン管理と2段階のごみ箱)と、共有術(リンク共有と権限設定)です。

▶︎ SharePoint入門|保存・共有・整理の基本を解説(22分)

自社の文書に当てはめる作業には、 SharePointファイル管理 運用設計ガイドもぜひDLのうえお使いください。

よくある質問

Q1. SharePointでフォルダを使うのはダメですか?

A. ダメではありません。フォルダ運用が正解になる場合もあります。問題になるのは、同じ種別が大量に積み上がる文書をフォルダで束ねた場合です。

Q2. フォルダ階層とメタデータ管理、どっちを選べばいいですか?判断基準はありますか?

A. ①ほとんど開かず保存が目的か(→アーカイブ)②開いても数個か(→最新版フォルダ)③同じ種別で共通の列を設計できるか(→ライブラリ+メタデータ)、という順番で判定するとよいでしょう。①②で決まればフォルダで足りる場合が多いです。

Q3. 既存の共有フォルダをSharePointに移すとき、どこから手をつければいいですか?

A. 文書種別ごとの棚卸しからです。顧客別・部署別といった既存の分類軸をほどき、種別ごとに全社で何件あるかを数えます。この件数が、ライブラリ化を提案する根拠になります。

Q4. 既存ファイルにメタデータを付け直す作業は、手入力しかないのでしょうか?

A. いいえ。グリッド表示に切り替えると、Excelのように複数ファイルの列をまとめて入力できます。さらにAutofill列を使えば、対象を選んで実行するだけでAIが内容を読み取り、列の値を埋めることが可能です(2026年8月時点でプレビュー)。

Q5. Copilotがファイルを見つけられません。SharePointの構成をどう直せばいいですか?

A. 人が探せないファイルは、Copilotも探しづらい場合が多いです。種別ごとのライブラリに集約し、顧客名や年度のメタデータ列を付けてみてください。

Q6. ライブラリ1つに何ファイルまで入れられますか?

A. ライブラリ自体は3,000万ファイルまで格納できます。ただし 1つのビューで5,000件を超えると、フィルターや並べ替えがブロックされます(リストビューのしきい値)。絞り込み済みのビューで表示件数を抑えるか、よく使う列にインデックスを設定すれば回避できます。検索そのものは5,000件を超えても全件が対象です。


SharePointファイル管理 運用設計ガイド

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【本ガイドで得られるもの】

  • 棚卸しから環境設計までの手順(判定フローチャート付き)
  • 置き場の選び方 早見表(引き出し頻度・量・切り口・メタデータの4観点)
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参考情報

本記事は以下の公式情報を参照しています(2026年8月時点)。


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