
【導入事例紹介】日揮コーポレートソリューションズ株式会社様|ユースフルビジネス
日揮コーポレートソリューションズ株式会社(以下、JCS)は、総合エンジニアリング事業、機能材製造事業、エネルギー・環境コンサルティング事業を手掛ける日揮グループの中で、日揮ホールディングスおよび総合エンジニアリング事業を主要事業として手掛ける事業会社のコーポレート機能を担っている会社です。
2023年4月、グループ各社に分散していた人事・財務/経理・法務・知財・コーポレートITなどの業務を集約し、コーポレート機能の更なる効率化と高度化を目指して発足しました。従来の業務の在り方を絶えず見直しながら、グループとしての付加価値最大化にむけて取り組んでいます。
今回、全社的な生成AI活用の推進のため、ユースフルビジネスをご導入。主に以下のプログラムを社内に展開いただきました。
推進メンバー(現場社員)向け 課題解決型生成AI活用研修
Microsoft Copilotを起点に、基礎からプロンプト、エージェント作成までを学ぶ終日研修役員・マネジメント層向け 生成AI活用研修
各部門の実務に合わせたケースで、役員・部門長クラスに生成AIで変わるマネジメントと意思決定や未来予測におけるAI活用術を学ぶ研修eラーニング(動画学習)
研修の事前学習、研修後のスキル定着に最適な動画コンテンツ
全社の生産性向上をけん引する業務改革推進部の小沼様、中村様、近藤様、吉田様の4名に、研修を企画された背景、ユースフルを選ばれた理由、当日の反響や研修後に現場で起きた変化、そして今後の展望までを伺いました。
YouTubeメディア「ユースフル/実務変革のプロ」を運営するユースフル株式会社では、組織やチームのITリテラシーを底上げする学習動画コンテンツの提供や個社研修を承っています。また、企業の経営改善やDX推進に直結するBPOコンサルティングサービスについても、現在非常に多くの法人クライアント様からお引き合いをいただいております。
自社の集客やノウハウに限界を感じている企画担当者様、社内のITリテラシーを底上げしたいDX推進・人事担当者様は、ぜひユースフルの教育アセットやノウハウをご活用ください。
ご出演いただいた皆さまについて
業務改革推進部の皆さま

Q. 皆さまの業務内容を教えてください。
私たちは、JCSの「業務改革推進部」に所属しています。日揮ホールディングス、および総合エンジニアリング事業を主要事業として手掛ける事業会社のコーポレート機能を担うJCSのなかで、各部門の業務の在り方を見直し、より付加価値の高いものに変えていく、その推進役を担う部署です。設立と共に新設された部門のため、各部門から集まったメンバーで構成されているのも、私たちの特徴です。
具体的な活動の一つとして、各部門の現場に入り込み、課題を共に洗い出しながら、業務プロセスの見直しや、Power Query、Power Automate、Power AppsなどのMicrosoft 365ツールを活用した業務の効率化・自動化を伴走型で支援しています。ツールを作って渡すだけで終わらせず、各部門が今後も自律的に改善を続けられる”自律”、”自走”の状態をつくることを大切にしています。
近年、部としての大きなテーマになっているのが「生成AI」の活用です。私たちが旗振り役となって全社へ広げていくうえで欠かせないのが、現場の業務を一番よく知る各部門との連携です。だからこそ、常に各部門と密にコミュニケーションを取りながら、現場が納得して前に進める形で取り組みを進めることを、何より意識しています。
インタビュー風景
皆様が楽しくお話をお聞かせくださり、終始アットホームな取材現場となりました!
Q. 今回、生成AI活用研修を企画された背景を教えてください。
2026年の年始に、JCSの社長から「今年は生成AIを徹底活用していく年だ」というメッセージが全社に発信されました。生成AI活用に関する全社的な取り組みが始まる前から、私たちは年間50件ほどの現場の業務改革支援をしてきましたが、同時に生成AIが、「一部の人だけが注目するテクノロジー」の段階から、いよいよ「実務に不可欠なビジネスアシスタント」の段階に入ってきた、という手応えがあったのです。
そこで私たちは、4月からの新年度に向けて、これまでの伴走支援で培った進め方を、今度はAI活用にもそのまま適用することにしました。キーマンを選任し、一緒に武器を作り、現場に自走してもらい、盛り上げていく。こうした過程で蓄積した、何がうまくいき、何がうまくいかないのか、という肌感覚が、AI活用推進プロジェクトにも大いに活きたように感じています。
「社内の勉強会で済ませる」のではなく、外部のプロにしっかり研修を組んでいただき、その学びを確実に実務へつなげていく。これが、今回のプロジェクトで重要視したポイントです。
「ユースフルビジネス」について
Q. ユースフルビジネス導入の決め手は何でしたか?
研修に参加した推進者が、技術を実務に活用していくイメージが鮮明に沸いたためお願いすることにしました。
ユースフルさんの存在自体は、以前から個人的に知っていました。数年前からYouTubeでExcelの解説動画を見ていたんです。
生成AI教育サービスを展開するベンダーを探すなかで、AIやWeb検索で候補を調べたところ、実務に近い研修を提供でき、企業への実装まで伴走してくれそうな会社として2~3社を候補に上げていました。そのうちの1社が、ユースフルさんでした。「ユースフルさんがここで、こういう形で出てくるんだ」と驚いたのを覚えています。

① 提案の質
当初は、別の候補会社さんである程度話を進めていました。ただ、研修は登壇する講師によって質も効果も大きく左右されます。実際、その会社の無料体験会に参加してみると、講師の話しぶりが終始一定のペースで、長時間の研修では受講者の集中を保ち続けるのが難しいと感じました。「これを自社の社員向けに提供するのは厳しいかもしれない」と思う場面もあったのです。
そんなタイミングで、ユースフルさんから改めてご提案をいただきました。当初は「概論やLLMの理論部分はもう1社、実務的な活用部分はユースフル」という分担で検討していましたが、実際にユースフルの講師の方のお話を聞き、「これなら推進者の皆さんにも役立つ研修になるに違いない」と確信しました。話し方の抑揚や、研修の進め方のストーリー立てが、すっと自分たちのなかに入ってきたのです。
② プログラムの質
ユースフルさんへの決め手をさらに言語化すると、事前に参加させていただいていた他社の研修は「コンサルティングの課題解決プロセスのなかで、いかに賢くAIを使うか」という色が強いものでした。一方で、私たちのような事業会社は、フレームワークなどのようなカッチリした型ではなく、手探りで、活用事例を積み上げながら、じっくりと自分たちの業務に適用していきます。

ユースフルさんが提案してくださった研修の章立て(構成)やストーリーは、まさに私たちが日々の業務でAIを活用していくときのイメージに合致していました。この感覚的なマッチ度の高さが、最終的な決め手になりました。実際、ご提案いただいた直後に社内で再検討し、当初は他社にお任せする予定だった範囲も含めて、ユースフルさんに一括でご発注することを決めました。
Q. 実際に研修を実施された感想を教えてください。
結論から言って、大満足でした。理由はいくつかあります。
最初に実施いただいた担当者向けの生成AI活用研修(課題解決型研修)は、終日6時間の充実したプログラムを提供いただきました。「生成AIとは何か」から始まり、プロンプトの上手な使い方、エージェントの作成、そして有償版を活用すればここまでできる、というところまで、1日でみっちりとお届けいただきました。
■課題解決型 生成AI活用研修カリキュラム(6h)
特にこだわっていただいたのが、研修を「やって終わり」にさせない全体設計です。法務や財務に関するプロンプトワーク、会計・税務マニュアルを検索するエージェント、関連会社のデューデリジェンス(事業DD)で使えるエージェントの作成など、私たちの実務に即した演習素材を用意していただきました。
これにより、受講者は研修の最中から「自分だったらこうする」と実務で活かすイメージが浮かんでいる状態になります。研修が終わってデスクに戻ってからではなく、研修の段階ですでに自分の課題を解き始めている――この状態を創り出していただいたことが、何より大きかったと感じています。6時間という長丁場ではありましたが、受講者全員が最後まで前のめりで取り組んでいました。
研修風景
当日は皆さまが終始真剣な表情で演習に取り組まれていました!
また、こうした一日の研修に加えて、eラーニング(動画学習)も並行して導入しています。研修は1回限りですし、アーカイブ動画を残したとしてもあとから見返すことはほとんどありません。だからこそ、短く区切られたレッスン動画で学べれば、スキルが定着する環境がある、日々の業務で使えるアイデアがたくさんある、と思って前進できます。
トレーニングの効果を最大化できるように、実地研修と動画学習を組み合わせ、学んだことを現場で使い続けられる状態をつくっています。
研修後の効果や変化について
Q. 研修後、どのような変化が生まれましたか?
研修を受けた推進メンバー――私たちは社内で「AIブースター」と呼んでいます――が、それぞれ自分の手でエージェントを作り始めました。まずは「AIで何ができるのか、何が得意なのか」を一人ひとりが体感し、その成果を起点に、各部門へ活用を“じわじわと”広げていく狙いがあります。
ブースターは、各部門長に選んでもらった、現場業務をよく知るメンバーです。これまでの伴走支援で私たちと一緒に各部の業務改善を推進してきた人材を中心に、7部門から30名ほどが参加しています。研修実施後の4〜6月を第1クォーターと位置づけ、まずは「1人1つエージェントを作る」ことを目標にしました。作った事例は社内SNSやPower Apps上のフォーマットで共有し、誰もが閲覧・転用できる環境を整えています。

研修の効果は、すぐに表れました。研修直後の時点で、現場から「作りたいエージェント」が約70個も挙がってきたのです。そして現在では、そのうち40個以上が実際に実務で活用されています。研修の参加者一人あたり1個以上の成果が生まれた計算になります。
研修で取り上げたユースケースに、現場で「日揮らしさ」を加えてブラッシュアップした応用版も、次々と生まれています。7〜9月の第2クォーターは、いよいよ「チームで成果を出す」フェーズに移ります。
Q. 役員・部門長向け研修について
最初の研修の成果を経営層に報告したところ、「ぜひ役員向けにも」という話になり、担当者向け研修の翌月に、役員・部門長を対象としたケーススタディ研修を実施いただきました。狙いは、会社の意思決定を担う層に生成AI活用の価値を体感してもらい、全社推進をより加速させることです。
プログラムは、当社の統合報告書や中期経営計画まで読み込んだうえで作り込んでいただいた、フルオーダーメイドのものでした。JCS内の7つのコーポレート部門それぞれがイメージしやすいよう、多彩なケーススタディも盛り込んでいただきました。
■役員・部門長向け生成AI活用研修カリキュラム(2h)
No | セクション | 講義内容 | デモンストレーション・演習 |
|---|---|---|---|
ポイント |
| ||
1 | 生成AI時代の経営とマネジメント |
| 社内の暗黙知をAIで形式知化する |
2 | 情報資産を正しく活かす |
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3 | 意思決定をAIに頼ってみる | (演習中心のセクション) |
|
4 | 身近なシーンからAIを根付かせる |
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5 | クロージング |
| ― |
生成AI活用はもはや会社経営に直結するからこそ、役員たちにも自分ゴトとして受け止めてもらえたのだと思います。当日はJCSの部門長のみならず、日揮ホールディングスの副社長や人事担当役員をはじめとするグループの経営幹部にもご参加いただきました。
また、各部門長の“右腕”となる方にも同席してもらいました。これは「研修を受けた役員や部門長と二人三脚で現場を先導する人がそばにいないと、受けただけで終わってしまう」という、メンバーからのアドバイスを反映したものです。
研修風景
経営の意思決定や組織変革につながるAI活用術を体感いただきました!
役員が受講者と一緒に学ぶ姿は、現場の社員にも良い影響を与えたと思いますが、役員・部門長自身が実務を担うわけではありません。「研修の成果」と「実際の業務成果」が必ずしも直結するわけではないため、部門長の右腕の方に同席いただいたことで、学びを現場で支える体制を創りたかったのです。
研修後は講師の方に、Copilotの応答精度を引き上げるためのデータ基盤のベストプラクティスについても個別に相談に乗っていただきました。「学んで終わり」ではなく、実際に成果が出るまでを見据えてご支援いただけたことは、大きな安心につながっています。
今後のお取り組みについて
Q.今後の施策や展望について教えてください。
今回のプロジェクトでは、年度を4つのクォーターに分けて進めています。第1クォーター(4〜6月)は個人での成果創出、第2クォーター(7〜9月)はチームでの成果創出のフェーズです。
各担当が4〜6月で「生成AIでできること・できないこと」を掴めてきたので、その知見を活かして、7~9月はチームの業務にエージェントを組み込むことを目指します。ブースター本人が作るだけでなく、チームの誰かもう一人がエージェントを作れるようにブースター自身に伴走してもらうことで、「教育」と「成果」の両方を狙います。

並行して、将来的なCopilot Studio の導入・活用に向けたトライアルも進めています。研修で取り上げた Agent Builder で作成するエージェントに加えて、Copilot Studio を活用することでできることの幅はさらに広がります。現在は各部の課題解決にCopilot Studioをどのように活用していくかを検討したり、社外の具体的な事例等をリサーチしながら、業務への適用可能性を模索しているところです。
ここでも進め方として大切にしているのは、いきなり全員に展開するのではなく、推進メンバーから“じわじわと”広げていくことです。一気に号令をかけて動かすのではなく、現場に納得して動いてもらうためのきっかけを、各部門にたくさん作っていく。これが私たちらしいプロジェクトの進め方だと思っています。
もちろん、AI以外の文脈においても、私たちの本業である「伴走支援」を強化していきます。現場の困りごとは多種多様ですので、Copilot などの生成AIに限らず、業務分析やアプリ開発など、あらゆる手段で組織を強く前進させていきたいと考えています。
Q.その中で、ユースフルに期待することはありますか?
直近では、大きく2つあります。ひとつはAIエージェントの「チーム導入」フェーズの伴走、もうひとつはCopilot Studio の活用支援です。
Copilot Studio については、骨格を作ること自体はノーコードで比較的容易にできる一方、応答精度を上げる段階で、ナレッジ基盤の整備やプロンプトエンジニアリング、ドキュメント構造の見直しといった課題に必ずぶつかります。

本格的に使いこなそうとすると、Power Automate との連携や Office Script でのコーディングが必要になる場面も出てくるはずです。だからこそ、そうした専門的な知見が求められる場面で、私たちの課題を深く理解して的確に伴走してくれるユースフルさんに頼りたいと考えています。
現在グループ全体で Microsoft Copilot が公式に使える状態にあります。大企業として経済合理性や全社的な運用を考えると、当面は Microsoft365 と Copilot に軸足を置き続けるのが堅実な選択だと捉えています。その範囲のなかで、Copilot Cowork などの新しい選択肢も含めて、現場での活用の輪を広げるためのご支援を期待しています。
編集後記(筆者コメント)
取材は終始、和やかな雰囲気のなかで進みました。お話を伺うなかで強く印象に残ったのは、推進を担う業務改革推進部の皆さまの、秀逸なプロジェクトマネジメントでした。
たとえば、研修対象者の人選において、対象者を自分たちで名指しするのではなく、あえて各部門長に選んでもらう形をとられていました。さらにその合意形成も、各部 部長が集まり定期的に議論を行う「部長会」ではなく、各部門長と一対一で、部門ごとに対話の機会を設けるという、極めて手間のかかる方法を選ばれています。
業務の課題や生成AIの利活用状況は部門ごとに異なるため、それぞれにあった文脈を織り込みながら、丁寧に握っていく。「全体で合意を取るより、一人ひとりと合意したほうが、結果的に早く進む」という言葉が、とても印象的でした。

研修後の動かし方も同様です。研修を「やって終わり」にしないために、ブースターを部門ごとの少人数ユニットに分けて、課題を一つずつ具体化し、あらためて部門長を交えて「次にやること」を決めていく。この地道なサイクルの積み重ねが、現場から次々に挙がる業務課題を着実に解決し、新しい働き方を形にする原動力になっています。
事務局として遠くから号令をかけるだけではなく、自ら現場に入り込んで汗をかく――そんな姿勢からは、AI・DXに限らず、組織変革を進めるうえで大切にしたいことを、改めて教えていただいた気がします。
JCS様の取り組みは、第1クォーターを終え、ここからさらに広がっていきます。チームでの成果創出、Copilot Studio の活用探索、そして全社への展開と、これから挑まれるテーマは尽きません。その一歩一歩に、少しでもお役に立てればと思っています。
ユースフルとしても、引き続き素敵なご縁が続くことに心より感謝し、JCS様の生成AI活用の実現に向けて、全力でサポートしてまいります。
-本日は、貴重なお話をいただきありがとうございました!
※掲載内容は取材当時(2026年6月)のものです。
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